虚子の句碑

高浜虚子の旅@ ・ A

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明治27年(1894年)6月、「木曽路の記」

大正11年(1922年)3月、「肥前の國まで」

昭和17年(1942年)5月、『武蔵野探勝』

明治27年(1894年)



巡礼や草加あたりを帰る雁

(埼玉県草加市)

明治29年(1896年)3月1日

村上霽月邸

(愛媛県松山市)

明治32年(1899年)9月10日



蓑虫の父よと鳴きて母もなし

子規庵(東京都荒川区)

明治33年(1900年)11月25日



遠山に陽の当りたる枯野哉

東雲神社(愛媛県松山市)

明治36年(1903年)9月20日



秋日和子規の母君来ましけり

六軒家石手線(愛媛県松山市)

明治37年(1904年)10月



清浄な月を見にけり峰の寺

横 川(滋賀県大津市)

明治41年(1908年)8月23日



凡そ天下に去来ほどの小さき墓に詣りけり

落柿舎(京都府京都市)

明治43年(1910年)12月2日

高浜虚子庵

(神奈川県鎌倉市)

大正2年(1913年)

2月11日



春風や闘志いだきて丘にたつ

番町小学校(愛媛県松山市)

10月1日

磯部温泉林屋旅館

(群馬県安中市)

10月5日

野尻湖

(長野県上水内郡信濃町)



此秋風のもて来る雪を思ひけり

俳諧寺一茶堂(長野県上水内郡信濃町)

大正3年(1914年)



中禅寺湖(栃木県日光市)



日光東照宮(栃木県日光市)



中尊寺(岩手県西磐井郡平泉町)



中尊寺(岩手県西磐井郡平泉町)

大正5年(1916年)

奈良ホテル

(奈良県奈良市)

大正6年(1917年)

4月26日

水温む利根の堤や吹くは北


長門橋(千葉県印旛郡栄町)

10月15日

この松の下にたゝすめば露のわれ



西ノ下大師堂(愛媛県松山市)

10月18

天の川の下に天智天皇と臣虚子と



太宰府政庁前(福岡県太宰府市)

10月24日

客を喜びて柱に登る子秋の雨



永慶寺(奈良県大和郡山市)

大正9年(1920年)



冬帝先づ日をなげかけて駒ヶ嶽

大沼(北海道亀田郡七飯町)

7月5日



海中に真清水湧きて魚育つ

日出城址(大分県速見郡日出町)

7月12日

血の池地獄

(大分県別府市)

大正11年(1922年)

12月7日



散紅葉こゝも掃きゐる二尊院

二尊院(京都府京都市)

大正12年(1923年)

10月29日



駕籠屋呼ぶ太鼓叩くや草紅葉

屋島寺(香川県高松市)

大正13年(1924年)

9月11日



千二百七十歩なり露の橋

萬代橋(新潟県新潟市)

9月16日



蜻蛉のさらさら流れとゞまらず

栖霞園(富山県南砺市)

大正14年(1925年)

5月20日



宗鑑の墓に花無き涼しさよ

一夜庵の跡(香川県観音寺市)

昭和2年(1927年)4月

金閣寺

(京都府京都市)

昭和2年(1927年)6月



鵜飼見の船よそほひや夕かげり

(岐阜県岐阜市)

おもしろうてやがてかなしき鵜舟哉

ポケットパーク「名水」(岐阜県岐阜市)

昭和3年(1928年)

6月9日



縦横に水の流れや芭蕉林

水前寺江津湖公園(熊本県熊本市)

9月16日



新涼の仏に灯し奉る

大龍寺(東京都北区)

10月4日



岩窪に小鳥のあびる水たまり

興昌寺(香川県観音寺市)

10月8日



うき草の茎の長さや山の池

鏡山(佐賀県唐津市)

10月10日



秋晴に島のをとめの手をかざし

桜島(鹿児島県鹿児島市)

10月12日



七盛の墓包み降る椎の露

赤間神宮(山口県下関市)

昭和5年(1930年)5月5日



座について供養の鐘を見上げけり

品川寺(東京都品川区)

7月13日



炎天の空美しや高野山

高野山(和歌山県伊都郡高野町)

10月23日



椎の露香椎の宮に来りけり

香椎宮(福岡県福岡市)

昭和6年(1931年)

4月2日



土佐日記懐にあり散る桜

紀貫之邸跡(高知県南国市)

4月5日

吸江寺

(高知県高知市)

4月6日



花ありて長き土塀や紀三井寺

紀三井寺(和歌山県和歌山市)



海苔を買ふ三断橋のたもとかな

三断橋(和歌山県和歌山市)

4月7日

三室戸寺

(京都府宇治市)

6月24日



飛騨の生れ名はとうといふほととぎす

上高地温泉(長野県松本市)



火の山の裾に夏帽振る別れ

上高地(長野県松本市)

10月18日



天の川の下に天智天皇と臣虚子と

太宰府政庁前(福岡県太宰府市)

昭和7年(1932年)10月8日



くはれもす八雲旧居の秋の蚊に

小泉八雲(島根県松江市)

昭和7年(1932年)10月



秋風や浜坂砂丘少しゆく

鳥取砂丘(鳥取県鳥取市)

昭和8年(1933年)

1月29日



霜解の道返さんと顧し

大宮公園(埼玉県さいたま市)

4月9日



燈臺を花の梢に見上げたり

潮岬灯台(和歌山県東牟婁郡串本町)

4月10日



神にませばまこと美はし那智の滝

飛瀧神社(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)

6月13日



囀や絶えず二三羽こぼれとび

船見山遊歩道(北海道登別市登別温泉町)

6月20日



茂り中日限地蔵の旗つゞく

親縁寺(神奈川県横浜市)

8月17日



船涼し己が煙に包まれて

青函連絡船(青森県青森市)

8月21日



火の山の麓の湖に舟遊

阿寒湖(北海道釧路市)

8月22日



澤水の川となり行く蕗の中

鐺別神社(北海道川上郡弟子屈町)

8月23日



燈台は低く霧笛は峙てり

米町公園(北海道釧路市)

8月29日



秋天や羽山の端山雲少し

花巻温泉(岩手県花巻市)

10月1日

鹿島神宮

(茨城県鹿嶋市)

昭和9年(1934年)4月

伊賀上野城

(三重県伊賀市)

昭和10年(1935年)

4月25日

道の辺に阿波のへんろの墓あはれ



西ノ下大師堂(愛媛県松山市)

7月11日



魚鼈(ぎょべつ)居る水を踏まへて水馬(みずすまし)

井の頭恩賜公園(東京都武蔵野市)

昭和11年(1936年)

2月21日



風師山梅ありという登らばや

三宜楼(福岡県北九州市)

9月18日



萩の花も金森宗和の庭にあれば

三千院(京都府京都市)

10月19日



掛稲に山又山の飛騨路かな

高山(岐阜県高山市)

昭和12年(1937年)2月7日



客ありて梅の軒端(のきば)の茶の煙

曽我梅園(神奈川小田原市)

昭和13年(1938年)

4月3日



鬱々と花暗く人病みにけり

深大寺(東京都調布市)

10月20



肌寒も残る寒さも身一つ

栗林公園(香川県高松市)

10月21日



歴史悲し聞いては忘る老の秋

屋島寺(香川県高松市)

昭和14年(1939年)4月



犬吠の今宵の朧待つとせん

犬吠埼(千葉県銚子市)

5月19日



いてふの根床几斜めに茶屋涼し
   虚子

我もまた銀杏の下に涼しくて
   年尾

日枝神社(山形県山形市)

5月23日



駒ヶ嶽聳えてこゝに沼の春

南北海道大沼婦人会館(北海道亀田郡七飯町)

6月10日



蜃気楼と立山とあり魚津よし

魚津埋没林博物館(富山県魚津市)



供華のため畦に芍藥つくるとか

宇奈月温泉(富山県黒部市)

7月23日



崖ぞひの暗き小部屋が涼しくて

有馬温泉(兵庫県神戸市)

10月17日



淋しさの故に清水に名をもつけ

幻住庵(滋賀県大津市)

昭和15年(1940年)

3月24日

ここにまた住まばやと思ふ春の暮



西ノ下大師堂(愛媛県松山市)

5月24日



風折々汀(みぎわ)のあやめ吹き撓め

光明寺(神奈川県鎌倉市)

6月29日



松の雨ついついと吸ひ蟻地獄

遊行寺(神奈川県鎌倉市)

昭和16年(1941年)

6月1日



夏潮の今退く平家亡ぶ時も

和布刈神社(福岡県北九州市)

10月5日



新聞をほどけば月の芒かな

海晏寺(東京都品川区)

昭和18年(1943年)

1月7日



道のべの延命地蔵古稀の春

護国寺(東京都文京区)

3月22日



花の寺末寺一念三千寺

長谷寺(奈良県桜井市)

3月26日

道後温泉「ふなや」

(愛媛県松山市)

8月13日



大いなる蚊が出て喰らふ早雲寺

(神奈川県足柄下郡箱根町)

9月10日



凄かりし月の団蔵七代目

成田山公園(千葉県成田市)

11月16日



今も尚承陽殿に紅葉見る

永平寺(福井県吉田郡永平寺町)

11月21日



無名庵に冬籠せし心はも

義仲寺(滋賀県大津市)

11月23日



ここに来てまみえし思ひ翁の忌

愛染院(三重県伊賀市)

昭和19年(1944年)

4月2日



一時(ひととき)を庭の桜にすごさばや

善光寺(東京都港区)

9月10日



此頃はほぼ其頃の萩と月

虚子旧宅(長野県小諸市)

11月12日



冬山路俄かにぬくきところあり

故和田南星邸(長野県千曲市)

高浜虚子の旅A

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