私の旅日記〜2008年〜
深大寺〜碑巡り〜
天気が良いので、調布市の深大寺に行ってみた。
浮岳山昌楽院深大寺
天台宗別格本山である。
天平5年(733年)の創建で、東京では浅草寺に次いで古い歴史を持つ寺だそうだ。
本堂の左手に中村草田男の句碑があった。
萬緑の中や吾子の歯生え初むる
昭和14年(1939年)に詠まれた句。第二句集『火の島』に収録。
中村草田男の句碑は珍しい。
昭和57年(1982年)1月、傘寿を記念して句碑建立。
昭和58年(1983年)8月5日、急性肺炎のため82歳で死去。
高浜虚子の句碑
遠山に日の当りたる枯野かな
明治33年(1900年)11月25日、虚子庵例会で詠まれた句。
平成15年(2003年)5月、『ホトトギス』500号記念として建てられたものだそうだ。
この句の碑は長野県小諸市のチェリーパークラインにもある。
元三大師堂
第18代天台座主良源。諡号は慈恵大師。寛和元年正月三日に入寂したので、元三大師という。
昭和5年(1930年)11月、与謝野晶子は深大寺に遊ぶ。
別當の法師に逢はず深大寺おち葉の音を字嶋田屋に聞く
落葉して御堂の池の濁れども噴井(ふきゐ)めでたし門前の茶屋
深大寺時雨れ初めけり釜出でし芋がしらより湯の霧の立ち
釋迦牟尼の堂に上(のぼ)りて一人聞く十一月の水の鳴るおと
「落葉に坐す」
開山堂
昭和13年(1938年)4月3日、高浜虚子は武蔵野探勝会で深大寺を訪れている。
鬱々と花暗く人病みにけり
四月三日 武蔵野探勝会。神代村、深大寺。
昭和13年(1938年)9月17日、北原白秋は深大寺を探勝。
深大寺水多(さは)ならし我が聴くに早や涼しかる滝の音ひびく
むくろじの実のまだあをき庫裏の前もの申すこゑの我はありつつ
深大寺の池、水澄みたらし下照りて紫金の鯉の影行く見れば
御厨子には倚像の仏坐しまして秋さなかなり響くせせらぎ
『黒檜』