蕉 門
榎本其角
其角の句碑 ・ 其角ゆかりの地
『五元集』
四月八日母のみまかりけるに |
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身にとりて衣がへうき卯月哉 | 其角 |
初七ノ夜いねかねたりしに |
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夢に来る母をかへすか郭公 | 同 |
五七の日追善会 |
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卯花も母なき宿ぞ冷(すさま)じき | 芭蕉 |
香消のこるみじか夜の夢 | キ角 |
其角にわかるゝとき |
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あゝたつたひとりたつたる冬の旅 | 荷兮 |
天龍でたゝかれたまへ雪の暮 | 越人 |
住捨てし幻住庵にはいかなる句をかのこされ |
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けん。それはそれ、さて世の中をうけたまは |
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るに |
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妖(バケ)ながら狐貧しき師走哉 | 其角 |
かくれけり師走の海の鳰(カイツブリ) | 翁 |
白河の関にみかへれいかのぼり | 其角 |
壬申十二月廿日即興 |
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打よりて花入探れんめつばき | 芭蕉 |
降こむまゝのはつ雪の里 | 彫棠 |
月にたゝぬつまり肴を引かへて | 晋子 |
羽織のよさに行を繕ふ | 黄山 |
夕月の道ふさげ也かんな屑 | 桃隣 |
出代過て秋ぞせはしき | 銀杏 |
年のくれ水のなかれも人の身も | 其角 |
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あしたまたるる其のたから船 | 子葉 |
寶晋齋のもとに馬おりし侍りて |
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霜やけも不二の光の心まゝ | その女 |
有やなしやの蕪をふところ | 其角 |
春暖閑炉に坐の吟とて |
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鴬の暁寒しきりきりす | 其角 |
筧の野老髭むすふ儘 | 同 |
若草に普請の御諚哉やらん | 清流 |
浅黄しらへの匂ひかくれて | 同 |