榎本其角
『蕉尾琴』(其角編)
芭蕉庵の沙弥艸庵のかけ物 |
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なけれはとのそみ侍るに |
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串柿に梅をかきて送るとて |
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せめてもの貧乏柿にんめの華 | 其角 |
矮屋に屈伸して妻奴の膝をくるし |
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め津の国のこやとも侘たるに象潟の |
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蜑のとま屋になして心ゆかしめよとや |
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高園の桜ともをみかさに折て送 |
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給はりけるを有かたく詠侍りて |
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傀儡のつゝみうつなる花見哉 | 其角 |
御馬給はりてむかへられ侍る行程 |
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霞か関ををこえ侍りて |
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白雲や花に成行顔は嵯峨 | 同 |
山 家 |
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鸛の巣に嵐の外のさくら哉 | 翁 |
いにしへのならのみやこの牡丹持 | 其角 |
うかれ女や異見に凋む夕牡丹 | 其角 |
筑前紅を送りける人に |
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しらぬ火の鏡にうつる牡たん哉 | 同 |
水漬に泪こほすやかきつはた | 其角 |
汁鍋に笠のしつくやさなへ取 | 其角 |
吐ぬ鵜のほむらにもゆる篝哉 | 其角 |
香需散犬かねふつて雲のみね | 其角 |
物干を楓の橋やけふの月 | 秋色 |
後の月指くひはたそ松か岡 | 秋色 |
途行吟 |
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山城へ井手の駕籠かるしくれ哉 | 翁 |
遊金閣寺 |
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八畳の楠の板間をもるしくれ | 其角 |
我も火宅を出にける哉 |
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宮藁屋はてしなけれは矢倉売 | 其角 |
人妻は大根はかりをふくと汁 | 其角 |
日の本のふろ吹といへ比叡山 | 其角 |
其引 所の産を寄て |
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行水や何にとゝまる海苔の味 | 其角 |
こまかたに舟をよせて |
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此碑ては江を哀まぬ蛍哉 | 其角 |
早稲酒や稲荷よひ出す姥かもと | 其角 |
遊弘福寺 |
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木犀や六尺四人唐めかず | 其角 |
先年月見もよほしけるに |
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木母寺に歌の会ありけふの月 | 其角 |
舟中月といふを |
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亡父 |
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棹の間もふけ行よとの河ふねは | 東順 |