わくらばに問ふ人あらば須磨の浦に藻塩たれつつわぶと答へよ |
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立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り求む |
陸奥国にまかりける時、勿来の関にて花の散りければよめる。 |
吹く風をなこその関と思へども道もせに散る山桜かな
『千載集』 |
便りあらばいかで都につけやらむ今日白川の関はこえぬと | 平兼盛 |
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都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関 | 能因法師 |
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秋風に草木の露をはらわせて君がこゆれば関守もなし | 梶原影季 |
宇恵し登きち起里やしけ舞多計久満の |
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松をふたたびあ飛見つ留嘉那 | 藤原元良 |
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堂希久満の松八二木越美屋古人 |
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い可ゞと問ハゞみ起とたたへ舞 | 橘 季通 |
甲斐かねに咲にけらしな足引の山梨岡の山奈しの花 | 能因法師 |
足曳の山なし岡に行く水のたえすそ君を恋わたるへき | 詠人不知 |
神垣の御室の山の榊葉は神の御前に茂り合ひけり | 詠人不知 |
白川の関のあととふていきしおりの歌のうちに |
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関もあらは冬の日さしをととめ置きてふりしむかしのあとやとはまし |
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山ち行てふりさけみれは関の海や打ちよする波は只まつのかせ |
寅吉が山にし入らば幽世(かくりよ)の知らえぬ道を誰にか問はむ |
いく度も千里の山よありかよひ言(こと)をしへてよ寅吉の子や |
神習ふわが万齢(よろづよ)を祈りたべと山人たちに言伝(ことづて)をせよ |
万齢を祈り給はむ礼代(いやしろ)は我が身のほどに月ごとにせむ |
神の道に惜しくこそあれ然(さ)もなくばさしも命のをしけくもなし |