2013年山 口

古熊神社〜菅原道真〜
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山口市古熊の高台に古熊神社がある。


古熊神社の石段


国指定 重要文化財

古熊神社本殿・拝殿

 本社は、今から620余年前(応安6年1373)に、大内弘世が京都の北野天神を勧請し、北野小路にまつっていたものを、元和4年(1618年)に毛利秀就がこの地に遷宮した。祭神は菅原道真で福部童子を配神としている。

 本社殿は、室町時代に建立されたものを、ここに移築したものである。本殿内にある宝殿の板に「天文十六年云々」の墨書があるので、本殿の建立もその頃と考えられる。本殿は三間社入母屋造り、拝殿は二重入母屋楼門造りで、ともに室町時代の様式をよく伝えている建物である。本殿の正面にある3つの蟇股にそれぞれ松竹梅の彫刻が見られるが、これはわが国で建築の装飾に松竹梅の組み合せをとりいれた最も時代の古いものとして有名である。

 社宝として、重要文化財「紙本墨画天神図(昭和48・6・6国指定)」がある。

 本社の例祭は、11月25日で、23日からの神幸式には大拝司、花神子参向の古式神事が執行され、山口天神祭と称されている盛大な祭りである。

山口県教育委員会
山口市教育委員会

古熊神社拝殿


拝殿の手前右手に道真の詩碑があった。


月 耀 如二 晴 雪一 
   月の輝きは晴れたる雪の如し
梅 花 似二 照 星一 
   梅の花は照れる星に似たり
レ 燐 金 鏡 轉
   憐れむべし金鏡転じ
庭  上 玉  房 馨
   庭上に玉房香れるを

 道真が11歳の春「月夜に梅花を見る」と題して詩作を命ぜられ、初めて作った詩だそうだ。

社殿左手の池に道真の歌碑があった。


海ならずたたへる水の底までにきよき心は月ぞてらさむ

出典は『新古今和歌集』(巻第18・雑歌下)。

月は、どんなに深く水を湛えた水の底まで照らすけれども、海よりも一点の濁りもない私の心は月が照らし出し、天が照覧して下さるだろう。

昌泰4年(901年)、太宰府に流された道真が詠んだ歌である。

又、くものうきてたゞよふを御覧じて、

  やまわかれとびゆくゝものかへりくるかげみる時は、なをたのまれぬ。

さりともと、よをおぼしめされけるなるベし。月のあかき夜、

  うみならずたゝへる水のそこまでにきよきこゝろは月ぞてらさむ。

これ、いとかしこくあそばしたりかし。げに月日こそはてらし給はめとこそはあめれ。

『大鏡』(時平伝)

池の奥に三森神社がある。

三森神社の手前に芭蕉の句碑があった。


鶴の巣にあらしの外の桜かな

出典は『鵲尾冠』

貞享年間の句とされる。

『蕉翁句集』は「元禄二巳のとし」とする。

『芭蕉句鑑』には「貞享元甲子年」に収録されている。

『焦尾琴』は「鸛の巣に」とする。

木のてっぺんにあるこうのとり巣の辺りには春の嵐も届かないのか、激しく揺れる様子もない。桜が静かに咲き匂っている。

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