種田山頭火の旅
indexにもどる

『行乞記(一)』

昭和5年(1930年)

9月9日



このみちやいくたりゆきしわれはけふゆく

萩原堤(熊本県八代市)

9月10日



日奈久温泉(熊本県八代市)

9月17日



このいたゞきに来て萩の花ざかり

老人福祉センター(宮崎県えびの市)



旅のすゝきのいつ穂にてたか

えびの市立図書館(宮崎県えびの市)

9月21日



霧島は霧にかくれて赤とんぼ

高崎新田駅(宮崎県都城市)

9月26日



うまい匂ひが漂ふ街も旅の夕ぐれ

橘通り西(宮崎県宮崎市)

9月27日

宮崎神宮

(宮崎県宮崎市)

9月28日

生目神社

(宮崎県宮崎市)

9月30日

青島神社

(宮崎県宮崎市)

10月2日

鵜戸神宮

(宮崎県日南市)

10月4日



水の味も身にしむ秋となり
ここに白髪を剃りおとしてさる
誰もゐないでコスモスそよいでゐる

飫肥城下町(宮崎県日南市)



10月8日

こんなにうまい水があふれている

護国寺(長崎県島原市)

10月9日



酔うてこほろぎと寝てゐたよ

こんぴら公園(長崎県南島原市)

10月18日

義門寺

(宮崎県東諸県郡国富町)

10月21日

黒木紅足馬宅

(宮崎県宮崎市)

10月26日

都濃町


まつたく雲がない笠をぬぎ

新山口駅(山口県山口市)

10月28日



墓がならんでそこまで波がおしよせて

美々津町(宮崎県日向市)

11月4日

内山観音

(大分県豊後大野市)

11月6日

竹田

・飯のうまさもひとりかみしめて
・最後の一粒を味ふ

11月8日


高林寺(大分県竹田市)

11月9日



あかつきの湯がわたし一人をあたためてくれる

長湯温泉(大分県竹田市)



一きわ赤いはお寺の紅葉



ホイトウとよばれる村のしぐれかな

高林寺(大分県竹田市)



しつとり濡れて岩も私も

かじか庵(大分県竹田市)



剃りたてのあたまにぞんぶん日の光

松尾理髪店(大分県竹田市)



まだ奥に家がある牛をひいてゆく

権現山公園(大分県竹田市)



宿までかまきりついてきたか

翡翠之庄(大分県竹田市)

11月10日



大空の下にして御飯のひかり



阿蘇がなつかしいりんだうの花

天神山(大分県由布市)

11月11日



しぐるゝや人のなさけに涙ぐむ

湯平温泉(大分県由布市)

11月15日

耶馬渓

(大分県中津市)

11月16日

福沢先生旧邸

(大分県中津市)



是が河豚かとたべてゐる

筑紫亭(大分県中津市)

11月20日



あんな船の大きな汽笛だつた

唐戸町(山口県下関市)

12月7日

武蔵温泉(福岡県筑紫野市)

12月10日

観音寺

(福岡県久留米市)

種田山頭火の句碑に戻る。