昔、長湯温泉を流れる川にガニがいた ある日ガニは色白の美しい村の娘に一目ぼれをしてしまった そして人間になって娘を嫁にしたいと思うようになった
たまたまそんなガニの切ない思いを知った川のほとりにある寺の僧が「寺の鐘を百聞けば人に生まれ変われる」と言い聞かせた
そこで娘が湯あみに来たとき僧が鐘をつき、ガニは川の中からこれを聞いていた。僧が鐘をつきながらふと娘に目をやると娘のあまりの美しさにこれまた一目ぼれ。鐘を九十九までついて「娘はオレがもらう」と言って娘に近づいたとたん、空がかきくもって大雨となり僧もガニも落雷にやられてしまった
しばらくして川の水が引いたところ、川の中にガニの形をした大岩が現れ、無数の泡をともなった湯が湧き出した
以来、村人たちはこれを(ガニ湯)と呼ぶようになった
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直入町
ガニ湯入口に野口雨情の歌碑があった。

長湯芹川々まん中の離れ
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石にもお湯が湧く
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森田宅前に与謝野晶子の歌碑があった。

山川のならびはやがて
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水曲がり天の川ほど
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目に見ゆる川
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「草と月光」に収録の歌。
かじか庵横にも種田山頭火の句碑があった。

しっとり
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濡れて
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岩も
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私も
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昭和5年(1930年)11月9日の句である。
高林寺へ。
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