旅のあれこれ文 学

年 譜

石川啄木ゆかりの地

啄木の歌碑



しらしらと氷かがやき
千鳥なく
釧路の海の冬の月かな

米町公園(北海道釧路市)



よりそひて
深夜の雪の中に立つ
女の右手(めて)のあたたかさかな

弥生宮本通(北海道釧路市)



神のごと遠くすがたをあらはせる

阿寒のやまの雪のあけぼの

阿寒湖畔(北海道釧路市)



しんとして幅廣き街の
秋の夜の
玉蜀黍の焼くるにほいよ

大通公園(北海道札幌市)



石狩の都の外の
君が家
林檎の花の散りてやあらむ

天神山緑地(北海道札幌市)



子を負ひて
雪の吹き入る停車場に
われ見送りし妻の眉かな

三角市場(北海道小樽市)



こころよく
我にはたらく仕事あれ
   それを仕遂げて
      死なむと思ふ

小樽公園(北海道小樽市)



かなしきは
   小樽の町よ
歌ふこと
   なき人人の
 声の荒さよ

水天宮(北海道小樽市)



  真夜中の
倶知安驛に
   下りゆきし
女の鬢の
   古き痍(きず)あと

倶知安駅前(北海道虻田郡倶知安町)



馬鈴薯の花咲く頃と
なれりけり
君もこの花を好きたまふらむ

旭ヶ丘総合公園(北海道虻田郡倶知安町)



石狩の美國といへる停車場の
柵に乾してありし
赤き布片(きれ)かな

美唄駅東口広場(北海道美唄市)



大海にむかひて一人
七八日
泣きなむとすと家を出でにき

東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる

大といふ字を百あまり
砂に書き
死ぬことをやめて帰り来れり

大間崎(青森県下北郡大間町)



潮かをる北の濱辺の
砂山のかの濱薔薇よ
今年も咲けるや

愛宕公園(青森県上北郡野辺地町)



船に酔ひてやさしくなれる
いもうとの眼見ゆ
津軽の海を思へば

合浦公園(青森県青森市)



ふるさとの山に向ひて
言ふことなし
ふるさとの山はありがたきかな

岩手山SA(八幡平市平笠)



ふるさとの寺の畔の
 ひばの木の
いただきに来て啼きし閑古鳥

宝徳寺(盛岡市渋民)



やはらかに柳あをめる
北上の岸邊目に見ゆ
泣けとごとくに

渋民公園(盛岡市渋民)



なつかしき
故郷にかへる思ひあり、
久し振りにて汽車に乗りしに。

渋民駅前小公園(盛岡市下田字陣場)



病のごと
思郷のこころ湧く日なり
目にあおぞらの煙かなしも

天満宮(盛岡市新庄町)



中津川月に河鹿の
啼く夜なり
涼風追ひぬ夢見る人と

中津川河畔の詩歌の散歩道(盛岡市中央通)



盛岡の中学校の
露台(バルコン)
欄干(てすり)に最一度(もいちど)我を倚よらしめ

岩手銀行本店(盛岡市中央通)



不来方のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五の心

盛岡城跡(盛岡市内丸)



その昔
小学校の柾屋根に
我が投げし鞠
いかにかなりけん

下橋中学校(盛岡市馬場町)



ふるさとの山に向ひて
言ふことなし
ふるさとの山はありがたきかな

盛岡駅東口(盛岡市盛岡駅前通)



わが戀を
はじめて友にうち明けし夜のことなど
思ひ出づる日

帰帆場公園(北上市幸町)

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