二十四日午前、栂尾高山寺に赴く。境内の石水院は、 明恵(みようゑ)上人の住みたまひしところなれば、清 瀧川の谷をへだてて深瀬山に対し、幽邃きはまりなし 唖蝉も来て聴聞す明恵伝 明恵上人つたへける茶の夏茶碗
『蓬壺』 |
京都 栂尾高山寺 |
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恋に疲れた 女がひとり |
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大島つむぎに つづれの帯が |
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影を落とした 石だたみ |
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京都 栂尾高山寺 |
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恋に疲れた 女がひとり |
高山寺 散紅葉鳥獣絵巻かくれなし 香焚いておろす蔀や山紅葉
『旅愁』 |
鎌倉時代初期、臨済宗の開祖栄西は宋から茶の種をもって帰国した。それを授けられた高山寺の開祖明恵は栂尾の地に植えたそうだ。 |
同二十二日 栂尾高山寺 夏山に鳥獣戯画の巻を舒べ
『芹』 |
明和元年(1764年)9月、多賀庵風律は田子の浦の帰途、高雄山の紅葉を見ている。 |
もみちの比ハ四方山をなかめて目の行所枝折となれはいつくと定かたきに神護寺東福寺を最上といへり高雄山にて 古郷へハぬすミて帰る紅葉哉 |