万葉歌碑


福 岡

『万葉集』の歌



とよくにの企救のまなごつちまなほにしあらば何か嘆かむ



とよくにの企救の浜松ねもころに何しか妹に相いひ初めけむ



ほととぎすとばたの浦にしく波のしばしば君を見むよしもがも



とよくにの企救の長浜行き暮らし日の暮れゆけば妹をしぞ思ふ



とよくにの企救の高浜たかだかに君待つ夜らはさ夜更けにけり



とよくにの企救の池なる菱のうれを摘むとや妹がみ袖濡れけむ

勝山公園(北九州市)



豊國の香春は我家紐の児にいつがり居れば香春は我家

須佐神社(福岡県田川郡香春町)



ちはやぶる鐘の岬を過ぎぬともぐれどもわれは忘れじ志賀の皇神(すめかみ)

大汝(おほなむち)少彦名の神こそは名付けそめけめ名のみを

名児山(なごやま)と負ひてわが恋の千重の一重も慰めなくに

宗像大社(福岡県宗像市)



ちはやぶる鐘の岬を過ぎぬともわれは忘れじ

志賀海神社(福岡県福岡市)



かしふ江にたづ鳴き渡る志賀の浦に沖つ白波立ちしくらし毛

志賀中学校(福岡県福岡市)



志賀の浦にいざりする海人家人のまちこふらむに明かしつる魚

志賀小学校(福岡県福岡市)



大船に小船引きそへかづくとも志賀の荒雄にかづきあはめやも

休暇村志賀島(福岡県福岡市)



志賀の海人は藻刈り塩焼きいとまなみ髪梳の小櫛取りも見なくに

下馬ヶ浜(福岡県福岡市)



今よりは秋づきぬらしあしひきの山松かげにひぐらし鳴きぬ

舞鶴公園(福岡県福岡市)



草枕旅行く君を荒津まで送りぞ来ぬる飽き足らねこそ

西公園入口(福岡県福岡市)



しろたへの袖の別れを難みして荒津の浜にやどりするかも

大濠公園(福岡県福岡市)



あをによし寧楽(なら)の京師(みやこ)は咲く花の薫(にほ)ふがごとく今さかりなり

大宰府跡(福岡県太宰府市)



よろつよにとしはきふともうめのはなたゆることなくささわたるへし

太宰府天満宮(福岡県太宰府市)



湯の原に鳴く芦田鶴はわがごとく妹に戀ふれや時わかず鳴く

パープルホテル二日市(福岡県筑紫野市)

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