2022年福 岡

万葉の庭〜勝山公園〜
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北九州市小倉北区に勝山公園がある。


勝山公園に万葉の庭がある。


 千年のむかし、門司から小倉を経て戸畑にいたる一帯の海岸は、美しい松林のつづく白砂の浜であった。うち寄せる波の音、海風にゆらぐ風情は遠く都をはなれた旅びとたちの旅愁をそそり、歌ごころを誘い、万葉集に6首の名歌となってのこされた。

 いまやたくましい発展途上にある北九州市の市民は、ここに万葉歌碑を建立して、古人の詩情に浸り、はるかなる郷土の歴史をたたえようとするものである。

昭和46年(1971年)1月、建立。



豊國之聞之濱邊之愛子地(とよくにの企救のまなごつち)
   眞直之有者何如将嘆(まなほにしあらば何か嘆かむ)
第七巻−1393



豊洲聞濱松心哀(とよくにの企救の浜松ねもころに)
 何妹相云始(何しか妹に相いひ初めけむ)
第十二巻−3130



霍公鳥飛幡之浦尓敷浪乃(ほととぎすとばたの浦にしく波の)
屡君乎将見因毛鴨(しばしば君を見むよしもがも)
第十二巻−3165



豊國乃聞之長濱去晩(とよくにの企救の長浜行き暮らし)
日之昏去者妹食序念(日の暮れゆけば妹をしぞ思ふ)
第十二巻−3219



豊國能聞乃高濱高々二(とよくにの企救の高浜たかだかに)
君待夜等者 左夜深来(君待つ夜らはさ夜更けにけり)
第十二巻−3220



豊國企玖乃池奈流菱之宇礼乎(とよくにの企救の池なる菱のうれを)
採跡也妹之御袖所沾計武(摘むとや妹がみ袖濡れけむ)
巻第十六−3876

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