阿波野青畝ゆかりの地



自選自解 阿波野青畝句集』

昭和43年(1968年)9月25日、第一刷発行。

緋連雀一斉に立つてもれもなし

落柿舎(京都府京都市)

今朝からの日和うしなふ時雨かな

法隆寺(奈良県生駒郡斑鳩町)

さみだれのあまだればかり浮御堂

浮御堂(滋賀県大津市)

晩翠翁障子のうちとなりにけり

落柿舎(京都府京都市)

老人のヘルンを語る秋の宿

小泉八雲(島根県松江市)

水澄みて金閣の金さしにけり

金閣寺(京都府京都市)

跫音の通天冬に這入りけり

東福寺(京都府京都市)

十五万石の城下へ花の坂

郡山城址(奈良県大和郡山市)

岸の梅魚獲る舟を行らしめず

柳川川下り(福岡県柳川市)

涼しさや鳶笛ならふ師団址

姫路城(兵庫県姫路市)

師の駕とともにあるなり花疲

那智の滝(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)

領布振りし昔の浜の草桔梗

鏡 山(佐賀県唐津市)

朝夕立の観世音寺の鐘は今

観世音寺(福岡県太宰府市)

水ゆれて鳳凰堂へ蛇の首

平等院(京都府宇治市)

蟻地獄聖はめしひたまひけり

唐招提寺(奈良県奈良市)

滝壺の怒濤の岩に嗽ぐ

那智の滝(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)

雪の上杉の実落ちぬとぶらはむ

醫王寺(福島県福島市)

夕焼の極みのはてに浅間見ゆ

宝光社(長野県大津市)

土用波白緑と映え土佐涼し

桂 浜(高知県高知市)

流燈の帯の崩れて海に乗る

江口の君堂(大阪府大阪市)

空・寂の小墓二つやいとざくら

法然院(京都府京都市)

山刀伐の深雪の中に炭を焼く

山刀伐峠(山形県最上郡最上町)

三伏やひそと身を折りまげ祷る

浦上天主堂(長崎県長崎市)

阿波野青畝ゆかりの地に戻る