『奥の細道』 〜東北〜
〜山刀伐峠〜
瀬見温泉から国道47号(北羽前街道)を行き、右折して県道28号尾花沢最上線に入る。
赤倉温泉を過ぎて、尾花沢に向かう途中に山刀伐(なたぎり)トンネルがある。
昭和52年(1977年)に開通したそうだ。
山刀伐トンネルの手前で旧道の入る。
対向車とすれ違うのも大変な坂道を上り、山刀伐峠の駐車場に車を停める。
山刀伐峠
標高470m。最上町と尾花沢市を結ぶ峠である。27曲りと言われた最上側の急峻な地形に対して、尾花沢市側は裾の長い、なだらかな地形をしている。この形状が冠物(かぶりもの)の「なたぎり」に似ていることから峠の名称が発生したと言われる。
元禄2年(1689年)5月17日(陽暦7月3日)芭蕉と曽良は屈強の若者に案内されて、尾花沢に向かって山刀伐峠を越えた。
山毛欅(ぶな)の原生林
昭和2年(1927年)10月、小杉未醒は「奥の細道」の旅で亀割峠を歩いている。
村の若者の反脇差を横たへ、樫の杖をつきたてたるを案内にして、今日こそいかなる恐ろしき事に會ふかと、小心翼々として越した山路即ち龜割峠、見受けるに、さやうな深山とも思はれず、細道本文の此段は、讀む者をして若干の好奇心を催さしむる處、蕉翁捨身の風流であるが、蕉翁元來かみがた生れで、山馴れせず、多少の恐怖観念あつた爲、文章却つて凄壯異常となつたかも知れぬ、