


| 秋すでに蕾をもてる辛夷の木雪とくるころ咲くさまはいかに |
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| 霜はいま雫となりてしたたりつ朝日さす紅葉うつくしきかな |

| 橇の鈴戸の面にきこゆ旅なれや津軽のくにの春のあけほの |
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| ひつそりと馬のり入るる津かる野の五所川原まちはゆきをやみせり |




| 最上川岸の山群むきむきに雲籠るなかを濁り流るゝ |
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| 中高にうねり流るゝ出水河最上の空は秋くもりせり |



| つばくらめちちと飛びかひ阿武隈の岸の桃の花いまさかりなり |
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| 夕日さし阿武隈川のかはなみのさやかに立ちて花ちり流る |













| 山の雨しばしば軒の椎の樹にふり来てながき夜の灯かな |
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| 摘みてはすて摘みてはすて野のはなの我等があとにとほく続きぬ |
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| 拾ひつるうす赤らみし梅の実に木の間ゆきつつ歯をあてにけり |


| ひさしくも見ざりしかもと遠く来てけふ見る海は荒れすさびたり |
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| 遠く来てこよい宿れる海岸のぬくとき夜半を雨降りそそぐ |
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| まともなる海より昇る朝の日に机のちりのあらわなるかな |




| 八幡岬にありて図らず満月を見る |
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| ありがたや今日満つる月と知らざりしこの大き月海にのぼれり |

| しら鳥はかなしからずやそらの青海のあをにもそまずたゞよふ |
| 山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君 |
| 大島の山のけむりのいつもいつもたえずさびしきわが心かな |


| しら鳥はかなしからずやそらの青海のあをにもそまずたゞよふ | 牧水 |
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| うちけぶり鋸山も浮び来と今日のみちしほふくらみ寄する | 喜志子 |


| 酒出でつ庭いちめんの白梅に夕日こもれるをりからなれや |
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| 友の僧いまだ若けれしみじみと梅の老木をいたはるあはれ |















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| 安芸の国越えて長門にまたこえて豊の国ゆきほととぎす聴く |
| ただ恋しうらみ怒りは影もなし暮れて旅籠の欄に倚るとき |




