牧水の歌
群 馬 ・ 長 野 ・ 静 岡 ・ 宮 崎
大渦のうづまきあがり音もなしうねりなだれて岩を掩へども
水上温泉（群馬県利根郡みなかみ町）
山かげに流れすみたるみなかみの静けきさまをおもひこそやれ
水上温泉「水上館」（群馬県利根郡みなかみ町）
わがゆくは山の窪なるひとつ路冬日光りて氷りたる路
富士浅間神社（群馬県利根郡みなかみ町）
私のひとり旅はわたしのこゝろの旅であり自然を見つめる旅である。
湯宿温泉「金田屋旅館」（群馬県利根郡みなかみ町）
こゝに猿ヶ京村というふしぎな名のある部落のあるを見るであろう。
猿ヶ京（群馬県利根郡みなかみ町）
時知らず此処に生ひたち枝張れる老木を見ればなつかしきかな
白根魚苑（群馬県利根郡片品村）
枯木なす冬木の林ゆきゆきて行きあへる紅葉にこゝろ踊らす
白根温泉（群馬県利根郡片品村）
| かみつけのとねの郡の老神の時雨ふる朝を別れゆくなり |
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| 相別れわれは東に君は西にわかれてのちも飲まんとぞおもふ |
舒林寺（群馬県沼田市）
かみつけのとねの郡の老神の時雨ふる朝を別れゆくなり
老神温泉（群馬県沼田市）
相別れわれは東に君は西にわかれてのちも飲まむとぞおもふ
旧白沢村（群馬県沼田市）
| 雑木山登りつむればうす日さしまろきいただき黄葉照るなり |
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| このあたり低まりつづく毛の国のむら山のうへに浅間山見ゆ |
権現峠（群馬県吾妻郡高山村）
小学校けふ日曜にありにけり桜のもみぢただに散りゐて
旧沢田小学校第三分校（群馬県吾妻郡東吾妻町）
わが急ぐ山より見ればむかつ山夕日にもゆるもみぢなりけり
上野と越後の国のさかひなる峰の高きに雪ふりにけり
「世立のしだれ栗」（群馬県吾妻郡高山村）
樫鳥が踏みこぼす紅葉くれなゐに透きてぞ散り來わが見てあれば
ひと夜寢てわが立ち出づる山かげのいで湯の村に雪降りにけり
真裸体になるとはしつつ覚束な此処の温泉に屋根のなければ
折からや風吹きたちてはらはらと紅葉は散り来いで湯の中に
花敷温泉（群馬県吾妻郡高山村）
ひと夜寝てわが立ち出づる山かげのいで湯の村に雪降りにけり
花敷温泉（群馬県吾妻郡中之条町）
| 夕日さす枯野が原のひとつ路わが急ぐ路に散れる栗の実 |
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| 音さやぐ落葉が下に散りてをるこの栗の実の色のよろしさ |
笹原の笹の葉かげに咲き出でて色あはつけきりんだうの花
右沢渡温泉道、左花敷温泉道（群馬県吾妻郡中之条町）
散れる葉のもみぢの色はまだ褪せず埋めてぞをるりんだうの花を
県道５５号中之条草津線（群馬県吾妻郡中之条町）
枯れし葉とおもふもみぢのふくみたるこの紅ゐをなんと申さむ
露霜のとくるがごとく天つ日の光をふくみにほふもみぢ葉
下草のすすきほうけて光りたる枯木が原の啄木鳥の聲
生須歌碑苑（群馬県吾妻郡中之条町）
もみぢ葉のいま照り匂ふ秋山の澄みぬるすがた寂しとぞ見し
生須歌碑苑（群馬県吾妻郡中之条町）
渓川の真白川原にわれ等ゐてうちたたへたり山の紅葉を
県道５５号中之条草津線（群馬県吾妻郡中之条町）
| おもはぬに村ありて名のやさしかる小雨の里といふにぞありける |
| 学校にもの読める声のなつかしさ身にしみとほる山里過ぎて |
六合村立第一小学校（群馬県吾妻郡中之条町）
湯の町の葉ざくら暗きまがり坂曲り下れば渓川の見ゆ
磯部公園（群馬県安中市）
芹生ふる沢のながれのほそまりてかすかに落つる音のよろしさ
磯部温泉（群馬県安中市）
山かげは日暮れ早きに学校のまだ終らぬか本読む声す
永井宿郷土館（群馬県利根郡新治村）
時知らず此処に生ひたち枝張れる老木を見ればなつかしきかな
白根魚苑（群馬県利根郡片品村）
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