芭蕉の句


うき我をさびしがらせよかんこ鳥

初案は「うきわれをさびしがらせよ秋の寺」。

三重県桑名市の大智院に句碑がある。

出典は『嵯峨日記』

元禄4年(1691年)4月22日、芭蕉48歳の句。

 「さびしさなくばうからまし」と西上人のよミ侍るは、さびしさをあるじなるべし。又よめる、

山里にこハ又誰をよぶこ鳥独すまむとおもひしものを

 獨住ほどおもしろきはなし。長嘯隠士の曰、「客は半日の閑を得れば、あるじは半日の閑をうしなふ」と。素堂此言葉を常にあはれぶ。予も又、

うき我をさびしがらせよかんこ鳥

とは、ある寺に独居て云し句なり。

『嵯峨日記』(4月22日)

「長嘯隠士」は木下長嘯子。

この句は『猿蓑』にも収録されている。

   西行のよめる。
   山さとにこは又たれをよふこ鳥ひ
   とりすまんと思ひしものを

うき我をさひしからせよかんこ鳥
 翁

   此句あまたの集に見え侍れと、自筆に
   てかく前書の有を見侍しなり


   山家呼子鳥

山ざとに誰を又こはよふこ鳥ひとりのみこそ住まむとおもふに


一茶の句

淋しさを我にさづけよかんこ鳥

『七番日記』(文化10年4月)

福島県矢祭町の国道349号

埼玉県本庄市の渕龍寺

神奈川県横浜市の天宗寺

長野県上田市の文殊堂、塩尻市の小野神社

山梨県大月市の猿橋

京都府京都市の金福寺

鳥取県倉吉市の長谷寺

広島県尾道市の千光寺

高知県香美市の予岳寺

福岡県福岡市小竹町の小竹地蔵尊、の称名寺

熊本県熊本市の浄国寺に句碑がある。

天宗寺の句碑
   
猿橋の句碑

   


金福寺の句碑



千光寺の句碑



小竹地蔵尊の句碑



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