芭蕉の句碑


うき吾を寂しからせよ閑古鳥

尾道市東土堂町に千光寺という寺がある。


大同元年(806年)、空海(弘法大師)によって創建。

大宝山権現院千光寺


真言宗の単立寺院である。

本尊は千手観音菩薩。

本堂は俗に赤堂と呼ばれる。

千光寺赤堂下に芭蕉の句碑があった。


うき吾を寂しからせよ閑古鳥

出典は『嵯峨日記』

元禄4年(1691年)4月22日、芭蕉48歳の句。

文化14年(1817年)5月、建立。梅室書。

この碑は寛政4年10月12日、尾道に滞在していた俳人長月庵若翁が当地の俳人52人と先師芭蕉の百回忌を営み句会を催した。(閑古鳥句碑、千光寺赤堂下)

おかしな文だ。

   祖翁百回忌追遠之百韻

百とせの花や小春乃十二日
   若翁

 鄙も時しる鳥のさゝ鳴
   文彩

草の戸に来たまはるも叡慮にて
   稲井

文政10年(1827年)6月3日、鶴田卓池は千光寺を訪れている。

千光寺、登五丁餘、真言宗、観音本堂前に大巖有、玉取石といふ。三重ノ塔有、其外諸堂多シ。一山、岩殊之外多シ。至而景地。其外寺社多き所也。


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