芭蕉の句
旅人と我名よばれん初しぐれ
出典は『笈の小文』。
貞亨4年(1687年)10月25日、芭蕉は亡父三十三回忌の法要に参列するために江戸深川を出発する。10月11日、其角亭の送別句会で詠まれた句。
神無月の初、空定めなきけしき、身は風葉の行末なき心地して、
岩城の住、長太郎と云もの、此脇を付て其角亭におゐて関送リせんともてなす。
長太郎は岩城小奈浜の井手氏。内藤家の家臣。俳号は由之。
旅人と我名呼れん初しぐれ
此句は、師、武江に旅出の日の吟也。心のいさましきを句のふりにふり出して、「よばれん初しぐれ」とは云しと也。いさましき心を顕す所、謡のはしを前書にして、書のごとく章さして門人に送られし也。一風情あるもの也。この珍らしき作意に出る師の心の出所を味べし。
『俳諧千鳥掛』(知足編)に「はやこなたへといふ露のむぐらの宿はうれたくとも袖をかたしきて御とまりあれやたび人」と前書きがある。
長勝寺の句碑
氷川鍬神社の句碑
| |
町田市路傍の句碑
| |
香取市旧家の句碑
|
| |
| |
|
三原八幡宮の句碑
道明寺の句碑
新田公民館の句碑
東京都品川区の泊船寺にある「芭蕉像安置の碑」の裏に「旅人と我名呼れんはつ時雨」とある。
芭蕉の句に戻る