芭蕉の句


何の木の花とはしらず匂哉

出典は『笈の小文』

伊勢山田」と前書きがある。

 貞亨5年(1688年)2月4日、伊勢神宮外宮参拝の折、伊勢山田の益光亭八吟歌仙の発句。

貞亨五年

何の木の花とハしらす匂ひかな
   芭蕉

こゑに朝日をふくむ鶯
   益光

春ふかき柴の橋守雪はきて
   又玄

二葉のすみれ御幸待けり
   雪庵


伊勢神宮外宮


『蕉翁句集』(土芳編)は「元禄三午とし」とする。

西行の歌をふまえたもの。

   何の木の花とはしらず匂ひかな

 此句は本哥也。西行「何事のおはしますとはしらねどもかたじけなさの涙こぼるゝ」とあるを俤にして云出せる句なるべし。

『三冊子』(土芳著)

『山家集』には、ない。

   太神宮御祭日よめるとあり

何事のおはしますをば知らねどもかたじけなさの(に)なみだこぼるゝ

『異本山家集』

埼玉県熊谷市の民家

神奈川県伊勢原市の富岡八幡神社

長野県千曲市の伊勢社上田大神宮、松本市の四柱神社

三重県伊勢市の「祖霊社」

山口県山口市の長沢池に句碑がある。

熊谷市の句碑
   
富岡八幡神社の句碑

   


伊勢社の句碑
   
上田大神宮の句碑
   
四柱神社の句碑

   

   


「祖霊社」の句碑



『笈日記』(支考編)、『泊船集』(風国編)には「花ともし知らず」とある。

秋田県大館市の扇田神明社

福島県三春町の三春大神宮

山口県防府市の玉祖神社に句碑がある。

三春大神宮の句碑



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