小矢部市指定文化財(史跡) |
この石碑には俳人松尾芭蕉の句が刻まれている。 |
この句は延宝8年(1680年)芭蕉が37歳のときに詠んだものといわれている。芭蕉が今石動を訪れたのは元禄2年(1689年)のことであるため、当地で詠まれたものではない。裸の腹当てをした子供が脚を前に投げ出し、座ったまま木槿の花の咲いた小枝を空にかざしている絵が描かれた色紙を芭蕉が見て、この句を詠んだといわれている。 美濃の俳人で、芭蕉十哲の一人である各務支考は、たびたび今石動を訪れ、観音寺に滞在して俳諧の指導にあたっていたが、今石動の俳人従古の家を訪れた際に、この芭蕉直筆の色紙をみて芭蕉をなつかしみ、「裸子よ物着はやらん瓜ひとつ」という句を詠んだことが、支考の著した俳書『東西夜話』に記述されている。 この句碑は酢屋方竪が享保の頃に建立したものと考えられている。当時、今石動で俳諧が盛んであったことを示す、たいへん貴重なものである。もともと城山公園入口の石段下に建立されていたが、現在地へ移された。
小矢部市教育委員会 |
高岡より石動まで川舟あり、陸道はたつの岡村などいふを過ぎて、石動の宿なり。この所も賑はしき町にて、ここにはかご多くいたってやすいし。 往来をかごに乗せても宿の名のゆする気遣ひなきそたのもし
「越中立山参詣紀行・方言修行金草鞋」 |