芭蕉の句

ほととぎす声や横たふ水の上
出典は宮崎荊口宛書簡。
『陸奥鵆』には「深川」と前書きがある。
元禄6年(1693年)、杉風、曽良の勧めに応じて「水辺のほととぎす」を詠んだ句。
頃日はほととぎす盛りに鳴きわたりて人々吟詠、草扉におとづれはべりしも、蜀君の何某も旅にて無常をとげたるとこそ申し伝へたれば、なほ亡人が旅懐、草庵にしてうせたることも、ひとしほ悲しみのたよりとなれば、ほととぎすの句も考案すまじき覚悟に候ところ、愁情なぐさめばやと、杉風・曾良、「水辺のほととぎす」とて更にすすむるにまかせて、ふと存じ寄り候句、
ほととぎす声や横たふ水の上
一声の江に横たふやほととぎす
『藤の実』(素牛編)には「声横たふや」とある。
元禄7年(1694年)5月、『藤の実』刊。
素牛は広瀬維然の別号。
善長寺の句碑
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大日向郵便局の句碑
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ほとゝぎす声横たふや水の上
此句は「させる事もなけれども、白露横(よこたふ)といふ奇文を味合たる」と也。一たびは「声や横たふ」とも、「一声の江に横たふや」とも句作有。人にも判させて後、江の字抜て、「水の上」とくつろげて、句の匂ひよろしき方に定る。「水光接天白露横江」の「横」、句眼なるべし」と也。
『翁草』に「ほとゝぎす横たふ声や水の上」とある。
山梨県上野原市の鏡渡橋に句碑がある。
「一声の江に横たふやほととぎす」の句碑がある。
願成就寺の句碑

問曰、先師の句に曰、
一声の江に横ふやほとゝぎす
又
ほとゝぎす声よこたふや水の上
此二句、沾徳が判にて「声横ふや」の方に極るよし、許六かゝれたり。先師も人の評によりと句を定給ふ事侍るや。
去来答曰、此事有べし。沾徳のみに限らず、門人の評を聞て句を定給ふ事多し。
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