仙臺
みちのくに來しとおもへば樂しかりこよひしづかに吾はねむらむ 阿部次郎教授宅
さ夜ふけと更けわたるころ海草のうかべる風呂にあたたまりけり
朝がれひ君とむかひてみちのくの山の蕨を食へばたのしも
『ともしび』 |
那須野

かさねとは八重撫子の名なるべし 曽良
朝草刈りのお百姓がかしてくれた馬のあとに、2人の子供がついてくる。その小娘に名をきくと、“かさね”という…。
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白 河

卯の花をかざしに関の晴着かな 曽良
いよいよみちのく入り、白河の関を昔の人は、身だしなみを整えて越えたという。芭蕉たちも、道端に咲く白いウツギの花を髪に挿し、これを晴着としてこの関を越えた。
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須賀川

世の人の見付けぬ花や軒の栗
目立たない栗の花が、軒端に咲いている。
庵の主人も世にかくれて、閑かに住んでいるのだろう。ゆかしいことよ。
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笠 島

笠島はいづこ五月のぬかり道
実方中将の塚を村人にたずねると、「右手の山ぎわの里を箕輪・笠島といい、今も“形見のすすき”が残っています」と教えられる。(箕輪は名取市高館。笠島は名取市愛島)
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宮城野

あやめ草足に結ばん草鞋の緒
芭蕉は仙台で4・5日をすごした。“宮城野”など名所・歌枕を案内した画工・加右衛門は、仙台を立つ芭蕉に〈紺の染め緒〉の草鞋2足などを餞別に贈った。
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山形・尾花沢

まゆはきを俤にして紅粉の花
山形の尾花沢では今も7月はベニバナの一面の花畑。この花の姿は、白粉をつけたあとで眉を払う「眉掃き」のよう…。
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象 潟

象潟や雨に西施がねぶの花
雨にぬれたネムの花。あたかも中国の美女西施が憂いの顔のようと咲いていた。
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市振の関

一つ家に遊女も寝たり萩と月
市振の宿の隣の部屋に、2人の遊女の声。おりしも萩の盛り、月も澄み渡った夜であった。翌朝、出立のとき、「私どもは伊勢参りへの旅、後をついて参りたい」と頼まれるが…。
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萩の花

種の浜にて

波の間や小貝にまじる萩の塵
敦賀市色浜の本隆寺に句碑がある。
芦野で詠まれた「田一枚植えて立ち去る柳かな」の碑もあったようだが、撮り忘れた。
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斎藤茂吉

秋の風吹きてゐたれば遠かたの薄のなかに曼珠沙華赤し
『赤光』収録の歌である。
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