久保井夫人も交へて、昨夜より殘りの一同裏參道より駕籠にて琴平參拜、御書院にて茶菓の饗応を受ける。
『薄明消息』(南方旅行の話) |
金刀比羅宮宝物館奥の裏参道を通って神苑を散策する。
「青葉岡」に吉井勇の歌碑があった。

金刀比羅の宮はかしこし船ひとか流し初穂をささくるもうへ
帆かけ船を型どった珍しい歌碑である。
昭和11年(1936年)4月、吉井勇は琴平、多度津、丸亀、高松などに遊んだ。琴平では「花壇」に泊まる。
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「千種台」に「芭蕉」の句碑があった。

花の影硯にかはる丸瓦
出典は『もとの水』(重厚撰)。
『奥の枝折』(柳條編)、『芭蕉翁句解参考』(月院社何丸)にも収録されているが、存疑の句である。
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碑陰に「東京三幾雄、松山鴬居、伯州梧雄」他、県下の俳人の句が刻まれているそうだ。
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明治20年(1945年)3月、建立。
「明野」に古帳女の句碑があったようだが、見過ごしてしまった。
天の川くるりくるりと流れけり
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あたまからかふる利益や寒の水
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裏面に古帳庵の2句が記されていたそうだ。
のしめ着たみやまの色やはつ霞
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折もよし衣更して象頭山
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古帳庵は江戸小網町の豪商鈴木金兵衛。
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