芭蕉の句


山中や菊はたおらぬ湯の匂

出典は『奥の細道』。

 元禄2年(1689年)7月27日(陽暦9月10日)、芭蕉は山中温泉を訪れ、8月6日(陽暦9月19日)まで「和泉屋」に逗留。

   温泉に浴す。其功有明に次と云。

山中や菊はたおらぬ湯の匂

『奥の細道』

「有明」は有馬温泉のこと。

青森県黒石市の薬師寺

山形県米沢市の白布温泉

福島県喜多方市の示現寺

群馬県片品村の丸沼温泉、草津町の光泉寺

東京都奥多摩町の奥多摩水と緑のふれあい館

長野県上田市の白山神社に句碑がある。

薬師寺の句碑
   
白布温泉の句碑

   


示現寺の句碑
   
白山神社の句碑

   


「芭蕉真蹟」、「温泉頌」には「菊はたおらじ」とある。

   加州に入      ばせを

わせのかやわけいる右はありそ海

   山中温泉

やまなかや菊はたお(を)らじ湯のにほひ

 石川県加賀市の道明ヶ淵、山中温泉大木戸門址白鷺大橋医王寺大聖寺駅に句碑がある。

道明ヶ淵の句碑
   
医王寺の句碑

   


石川県加賀市の芭蕉の館大聖寺駅に「温泉頌」の俳文碑がある。

北海の磯つたひして加州やまなかの湧湯に浴ス。里人の曰、このところは扶桑三の名湯のその一なりと。まことに浴することしばしばなれば、皮肉うるほひ筋肉に通りて、心身ゆるく偏に顔色をとどむるここちす。彼桃源も船をうしなひ慈童か菊の枝折もしらす

はせを

やまなかや菊はたおらじ湯のにほひ

 元禄二仲秋日

「温泉頌」

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