『奥の細道』北 陸


医王寺

加賀市山中温泉薬師町に医王寺という寺がある。


国分山医王寺


高野山真言宗の寺である。

天平年間(729〜748)、僧行基が開基したと伝えられる。

本尊は薬師如来。

 元禄2年(1689年)7月28日(陽暦9月11日)、芭蕉は医王寺を訪れている。

廿八日 快晴。夕方、薬師堂其外町辺ヲ見ル。夜ニ入、雨降ル。

『曽良随行日記』

医王寺に芭蕉の句碑があった。


山中や菊は手折らじ湯の匂ひ

医王寺の墓地に泉屋桃妖の墓がある。


桃妖(延宝4年(1676年)〜宝暦元年(1751年)

 山中温泉草創12家中の湯宿「和泉屋」の主人、長氏また長谷部氏とも云い、幼名「久米之助」後、甚左衛門と称した。

 芭蕉「奥の細道」行脚の途次、山中温泉「和泉屋」に逗留、この時14才の久米之助は、芭蕉より「桃の木のその葉ちらすな秋の風」の1句とともに「桃妖」の名を贈られた。

 以来蕉風俳諧に通じ、加賀俳壇に名をなした。

紙鳶(たこ)切て白根が嶽を行衛かな
旅人を迎えに出ればほたるかな
かげろふに虚空にうごく朝日哉

立花北枝も医王寺を訪れている。

   山中温泉の上薬師寺に詣て

うすぎりや白鷺眠る湯のながれ

『続有磯海』(浪化編)

千代尼は薬師堂(医王寺)に参詣している。

昭和37年(1962年)、高野素十は医王寺を訪れている。

   山中 医王寺

花茣蓙といふも寝茣蓙といふも

『芹』

『奥の細道』北 陸〜に戻る