芭蕉の句
名月や門に指くる潮頭
『泊船集』には「名月や門にさし込潮かしら」、『芭蕉句選』に「名月や門へさし來る汐かしら」とある。 |
満月になればじっさいに月のエネルギーが、つまり月の引力が海の潮をよせてくる。名月の夜は大潮なのだ。 そこで芭蕉は深川芭蕉庵で、月の庭をみてくちずさんだ。 名月や門にさしくる潮頭(「芭蕉庵三日月日記」) 明治の作家の幸田露伴はこの句を解説して「空には満々たる月があり、門には潮がみなぎり・・・東京湾の潮は、秋夜には七尺ふくれる」(「続芭蕉俳句研究」)といっている。
『庭と日本人』(上田篤著) |
山口県周南市の原江寺 香川県善通寺市の金倉寺 福岡県行橋市の松山神社 佐賀県鹿島市の臥龍ヶ岡公園に句碑がある。 |