芭蕉の句


涼しさやほの三か月の羽黒山

出典は『奥の細道』。

元禄2年(1689年)6月3日(陽暦7月19日)、芭蕉は羽黒山に登った。

 六月三日、羽黒山に登る。図司左吉と云者を尋て、別当代會覚阿闍梨に謁す。南谷の別院に舎して、憐愍の情こまやかに、あるじせらる。 四日、本坊におゐて俳諧興行。 有難や雪をかほらす南谷。

 6日に月山頂上まで登り、山小屋に一夜を明かして、7日には湯殿山神社に詣でた。

 行尊僧正の哥の哀も爰に思ひ出て、猶まさりて覚ゆ。惣而此山中の微細、行者の法式として他言する事を禁ず。仍て筆をとゞめて記さず。坊に帰れば、阿闍利の需に依て、三山順礼の句々短冊に書。

涼しさやほの三か月の羽黒山

雲の峰幾つ崩て月の山

語られぬ湯殿にぬらす袂かな

山形美術館蔵の真蹟短冊には「涼風や」とある。

山形県天童市の天童タワー、山形市の山形蔵王PA

千葉県野田市の西光院

埼玉県戸田市の上戸田氷川神社に句碑がある。

上戸田氷川神社の句碑


出羽三山神社に出羽三山の句碑がある。



凉しさやほの三日月の羽黒山

加多羅礼努湯登廼仁奴良須當毛東迦那
(かたられぬゆどのにぬらすたもとかな)

雲の峯いくつくつれて月の山

山形県鶴岡市の大進坊三山大愛教会にも出羽三山の句碑がある。

大進坊の句碑



 昔は三山順礼土産に「權中納言藤原豊季書」といわれる石刷芭蕉句を買ってきたものだそうだ。

群馬県千代田町の愛宕神社

埼玉県越生町の八幡神社

千葉県千葉市の稲毛浅間神社に出羽三山の句碑がある。

愛宕神社の句碑



八幡神社の句碑



稲毛浅間神社の句碑



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