笹小屋といふ所に臥て殊更に草臥ぬれは爰に奉納の句なし
|
草臥れるのも無理はない。
寛政3年(1791年)5月13日、鶴田卓池は月山を下り羽黒山に泊まる。
月山ノ頂ヨリ羽ぐろ山を九里ト云 雪多くいまだ笹室
一つも作らず 此日行人ノ外ハ人ニ不逢 雪ヲふむこと凡七里斗
されど翁ノ細道に書き給ふ山ノさくらハ蕾もちて如月半の□し
羽黒山麓ニ宿ル
大正14年(1925年)8月20日、荻原井泉水は弥陀ヶ原の小屋に泊り、月山に登った。
石道はいつか又広い草原の中に出ていた。そこに小屋があった。八合目、御田の原である。私達はそこの小屋に宿を乞うこととした。一日負うて歩いた笠と茣蓙とを身から離すと、ホッとした。
『随筆芭蕉』(月山に登る)
草薙温泉へ。
『奥の細道』 〜東北〜に戻る