芭蕉の句


冬籠りまたよりそはん此はしら

出典は『阿羅野』

元禄元年(1688年)冬、芭蕉45歳の句。

 貞亨4年(1687年)10月25日、芭蕉は江戸を立って『笈の小文』の旅に出る。

 元禄元年(1688年)秋、芭蕉は『更科紀行』の旅から江戸に戻り、深川の芭蕉庵で冬を迎える。

 益光宛書簡(元禄元年12月3日)、尚白宛書簡(元禄元年12月5日)に見える。

襟巻に首引入て冬の月
   杉風

火桶抱ておとがい臍をかくしけり
   路通

此作者は松もとにてつれづれよみたる狂隠者、今我隣庵に有。俳作妙を得たり。

雪ごとにうつばりゆがむ住ゐ哉
   苔翠

冬篭又依りそはん此はしら
   愚句

菊鶏頭切尽しけりおめいこう
   愚句

句はあしく候へ共、五十年来人の見出ぬ季節、愚老が拙き口にかかり、若上人真霊あらば我名ヲしれとぞわらひ候。此冬は物むつかしく句も不出候。 以上

尚白宛書簡(元禄元年12月5日)

茨城県常陸太田市の梅照院

群馬県渋川市の旧家

埼玉県深谷市の楡山神社

三重県伊賀市の芭蕉翁生家に句碑がある。

梅照院の句碑


楡山神社の句碑


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