初代柳川藩主立花宗茂と妻のぎん千代、その父戸次道雪(べっきどうせつ)の三神を祭った神社。 |
慶長8年(1603年)、立花宗茂は初代棚倉藩主となる。 元和6年(1620年)、初代柳河藩主となる。 |
水郷柳川こそは |
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我が生れの里である |
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この水の柳川こそは |
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我が詩歌の母体である |
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この水の構圖 |
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この地相にして |
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はじめて我が体は生じ |
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我が風はなった |
昭和18年(1943年)、水郷柳河写真集『水の構図』(詩歌:北原白秋・写真:田中善徳)刊行。 |
柳川地方唯一の憩の場である高畑公園は、三柱神社の神域公園として、地域の住民のふる里であります。 詩人北原白秋も詩集『おもいで』の冒頭に 「もうし もうし 柳川ぢや 柳川ぢや 銅の鳥居を見やしやんせ 欄干橋をみやしやんせ」 とうたっています。 そして水の郷柳川の玄関口であり、柳川地方にとっては、大切な風致地区であります。しかるに欄干橋は、第二次世界大戦後老朽はなはだしく、銅(かね)の鳥居は戦時中供出されてしまいました。 神橋と銅鳥居を昔の姿に再建し、祖霊をあがめ、地域の歴史を生かし、子孫のために良き環境を保存し、柳川の詩情を慕って訪れる外来客のためにも、手厚いおもてなしのかてとせねばならぬと思い、昭和57年7月、三柱神社欄干橋銅鳥居建設委員会を設立、表記の方々をはじめ、多数の奉納者の御浄財により、昭和59年3月、完工しました。 |
この3階建て家は、明治末期、料亭懐月桜として建てられた。その後、料亭松月となり、大正、昭和、平成の風霜を経た。 北原白秋の詩「立秋」にうたわれた往昔の懐月楼は、今改めて松月文人館となったが、明治の建築原型を維持し、その頃の面影を宿す文化財に価する。 明治40年(1907年)北原白秋、吉井勇、与謝野鉄幹、木下杢太郎、平野万里が南蛮情緒を探訪する旅に出た折、懐月楼に泊り、その紀行文は「五足の靴」として南蛮文学の足跡を文学史に残した。 昭和16年(1941年)白秋主宰の「多摩」柳川全国大会は松月を会場として開催された。その後もよく、白秋と柳川を愛する文人墨客が松月に寄り合って風雅な酒を酌みかわした。 文学にゆかりの深い、この歴史的なトポス(場所)に文学資料を展示し再登場した松月文人館は、柳川の文化に異彩を放つ拠点となることだろう。 |
柳河のたつたひとつの公園に秋が来た |
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古い懐月樓の三階へきりきりと繰り上ぐる |
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氷水の硝子杯(コツプ)薄茶に雪にしらたま |
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紅い雪洞(ぼんぼり)も消えさうに |
「立秋」は北原白秋先生の詩集『思ひ出』に収められている。この詩にあらわれる懐月楼というのは明治29年に建造された大きな遊女屋であった。かつて脂粉の香を漂わせた懐月楼の跡こそ現在の松月であり、「立秋」の中にうたわれているノスカイ屋のとどめるのは、この3階建ての家である。すなわち、白秋先生の偉大な詩業を讃えて、ながく柳川の地にのこすべき貴重な文学遺蹟というべきである。 |
明治四十年夏、東京新詩社の與謝野寛、北原白秋、木下杢太郎、吉井勇、平野萬里は、白秋の故郷柳河を旅の拠点として九州の南蛮文学探訪を行なひ、紀行文「五足の靴」によって日本耽美派文学興隆の端緒を作った。 その帰途、八月二十一日茜色に染まる夕焼けの水郷柳河を逍遥して、高畑公園三柱神社太鼓橋際の風がわりな氷屋懐月樓の三階に旅情を慰めたことは、「五足の靴」第二十三章「柳河」に詳しい。 白秋もこの懐月樓を「立秋」の詩にして抒情小曲集『思ひ出』に収めたが、当時の懐月樓こそ現在の松月に他ならぬ。水光の町柳河を最初に近代文学史に刻んだ「五足の靴」と松月とのゆかりを記念してここに碑を建て、永く語り継がんとするものである。
野田宇太郎 |
明治40年(1907年)9月3日、与謝野寛、北原白秋、木下杢太郎、吉井勇、平野万里の5人は柳川を逍遥した。 |
余等は美くしい夕焼の光の中に此川端を逍遥して、とある横町に曲り、名物の鰻屋で一酌した。帰途旧藩主立花伯の祖先を祀つた立花神社の裏門を入つて表門に抜けると太鼓橋が架してある。橋の下は又例の川の一つだ。岸には提灯を一つ揚げて北原氏の船が余等を迎へに来て居る。船の中には北原氏の令嬢や三男や令姪や、H生が東京から伴れて帰つた「婆やさん」などが乗つて居る。
「五足の靴」(柳河)
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昭和5年(1930年)5月20日、北原白秋は三柱神社に詣でる。 |
夏の三柱宮 高畠公園の三柱神社は藩祖を祀る。二十日、ここに詣で てまた幼き日を偲ぶ。 太鼓橋欄干橋をわたるとき幼子我は足あげ勢(きほ)ひし 三柱宮水照(みでり)繁(しじ)なる石段(いしきだ)に瑪瑙の小蟹ささと音あり
『夢殿』
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