芭蕉の句

郭公まねくか麦のむら尾花
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「尾花(薄)が穂をそよがせるのは、古来人を招くのだといわれているが、麦の穂が尾花のようにそよぐのは、あれは人を招くのではなくて郭公を招いているのであろうか」の意。 和歌によみ古された尾花を麦の穂の風情に転じ、その時節にふさわしい郭公を招くのかと案じだしたところに俳諧があったのである。これも一つの見立てであるが、それにとどまらず、和歌の情趣を句の味として言い取っている点に工夫が見られる。 『遅れ双六』(延宝九年序・清風編)所収なので、延宝九年以前の作。『蕉翁句集』は貞享元年と誤る。『武蔵曲』・『菊の香』・『泊船集』・『のぼり鶴』(「自画賛」と前書)などにも所収。真蹟も二種伝わり、文台にも記された句。風国編の『初蝉』(元禄九年刊)には中七「まねくや」と誤り、『菊の香』(元禄十年序)で「まねくか」と訂正。『蕉翁句集』も「まねくや」と誤る。 |
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北海道余市町の出雲神社 茨城県常陸太田市の若宮八幡宮 群馬県千代田町の愛宕神社 神奈川県相模原市の本町自治会館、厚木市の日吉神社 愛知県豊田市の白鬚神社に句碑がある。 |

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