芭蕉の句


月いつく鐘ハ沈める海の底

出典は「芭蕉翁月一夜十五句」(荊口句帖)。

元禄2年(1689年)8月14日(陽暦9月27日)、敦賀で詠まれた句。

秋田県八郎潟町の諏訪神社

福井県敦賀市の金前寺に句碑がある。

芭蕉翁鐘塚


月いつく鐘は沈るうみのそこ

 この句は、元禄2年8月15日の雨月に翁南北朝時代(1336)金ヶ崎落城の悲劇にまつわる陣鐘の事を聞き詠んだものである。

諏訪神社の句碑


 氣比神宮のライオンズクラブ国際協会第42回年次大会記念碑にもこの句が刻まれている。


芭蕉翁月五句

国々の八景更に氣比の月
月清し遊行のもてる砂の上
ふるき名の角鹿や恋し秋の月
月いつく鐘は沈る海の底
名月や北国日和定なき

俳諧草庵集』には「月いつこ鐘はしつみて」とある。

   中秋の夜は敦賀にとまりぬ。雨降
   りけれは

月いつこ鐘はしつみて海の底
 はせを

   敦賀の驛の屏風に侍り。此國行脚の時
   の吟なるべし。

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