芭蕉の句


御命講や油のような酒五升

出典は『芭蕉庵小文庫』

元禄5年(1692年)、芭蕉49歳の時の句。

『蕉翁句集』(土芳編)には「貞享五辰ノとし」とある。

 日蓮消息文「新麦一斗、筍(たけのこ)三本、油のやうな酒五升、南無妙法蓮華経と回向いたし候」による。

   御影講や油のやうな酒五升

日蓮上人の報書に「新麦一斗、筍三本、池のやうな酒五升、南無妙法蓮花経と回向いたし候」又翁ひとゝせ許六亭に旅寐の比、此報書を讀て、新麦に筍ハよき發句の掛合なりとて人々案しけるに、「新麦や筍ときの草の庵」と句作て許六にたひけるよし。「晋子か謡ハはいかいの源氏なり」と申けるも、かゝる可笑ミさひしみの収所なるへし


 御命講(おめいこ)は日蓮の命日(1282年)であるから、10月13日の御会式(おえしき)のこと。日蓮は池上本門寺で没した。

芭蕉は御命講の萬燈会の行われる10月12日に他界する。

埼玉県深谷市の光厳寺

千葉県勝浦市の本行寺、松戸市の本土寺

静岡県富士市の「かんかん堂」

山梨県身延町の久遠寺

長野県富士見町の真福寺

大阪府大阪市の妙法寺

岡山県井原市の妙典寺

長崎県平戸市の瑞雲寺に句碑がある。

本行寺の句碑
   
「かんかん堂」の句碑

   


真福寺の句碑
   
久遠寺の句碑

   


芭蕉の句に戻る