芭蕉の句


草いろいろおのおの花の手柄かな

出典は『笈日記』(支考編)。

 貞亨5年(1688年)8月、『更科紀行』出発に際して美濃の門人達に残した留別吟4句のひとつ。

その年の秋ならん、この国より旅立て、更科の月みんとて、

   留別 四句


送られつおくりつ果ては木曽の秋
  翁

草いろいろおのおの花の手柄かな

   人々郊外に送り出て、三盃を傾侍るに

朝がほは酒盛しらぬさかり哉

ひよろひよろとこけて露けし女郎花

 「みどりなるひとつ草とぞ春は見し秋はいろいろの花にぞありける」(『古今和歌集』詠み人知らず)の歌をふまえる。

 昭和58年(1983年)11月、レーガン大統領はこの句を引用して衆議院本会議場で演説した。

群馬県高崎市の清水寺、草津町草津の民家

千葉県白子町の玄徳寺

神奈川県横浜市の八幡神社、横須賀市長井の民家

羽島郡笠松町の笠松中央公民館

三重県伊賀市の伊賀市伊賀支所

大分県大分市の薬師堂に句碑がある。

清水寺の句碑



草津町の句碑



玄徳寺の句碑



八幡神社の句碑
   
長井の句碑

   


三重県伊賀市の伊賀市立図書館には英文と併記の芭蕉句碑がある。



 『はせをつか』(楓幻亜編)に「芭蕉冢 同兒母乳山篠尾明神社 子峯ゝ 草いろいろおのおのはなの手柄かな」とあるが、現存しない。

芭蕉の句に戻る