芭蕉の句

ぬれて行人もお(を)かしや雨の萩
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元禄2年(1689年)7月26日、『奥の細道』の旅の途次、小松歓水亭の五十韻発句に「ぬれて行や人もお(を)かしき雨の萩」とある。 |
| ぬれて行や人もお(を)かしき雨の萩 | 芭蕉翁 |
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| すゝき隠に薄(すすき)葺家 | 亨子 |
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「雨に濡れそぼつ萩の趣は、なかなか興味深いが、その花を賞して濡れながらこの亭の庭を往来する人も、風情すてがたいものがあることだ」の意。 雨中の会に臨んで挨拶の心が籠められている。雨の萩のさまに興を起し、濡れてゆく人のさまも萩の傍でなかなかすてがたいものであると、属目の景に発想したもの。『笈の底』・『句解参考』に「萩が花散るらむ小野の露霜にぬれしを行かむ小夜は更くとも」(古今集・秋上・ よみ人しらず)によるというが、それよりは即興的なところを味わいとる必要があろう。女人の姿を彷彿する句である。『曾良書留』・『雪丸げ』に「心せよ下駄のひびきも萩の露―曾良」「かまきりや引きこぼしたる萩の露」を続けて掲出、情景がしのばれる。 |
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東京都江東区の龍眼寺 石川県小松市の中央緑地 愛知県豊橋市の西光寺に新旧2基、名古屋市の傳昌寺に句碑がある。 |
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| 廿六日同歓水亭会 雨中也。 |
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| ぬれて行や人もおかしき雨の萩 | 翁 |

