2023年兵 庫

須磨寺〜碑巡りA〜
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 須磨には、年かへりて日長くつれづれなるに、植ゑし若木の桜ほのかに咲きそめて、空のけしきうららかなるに、よろづのこと思し出でられて、うち泣きたまふをり多かり。二月二十日あまり、去にし年、京を別れし時、心苦しかりし人々の御ありさまなどいと恋しく、南殿の桜は盛りになりぬらん、一年の花の宴に、院の御気色、内裏の上のいときよらになまめいて、わが作れる句を誦じたまひしも、思ひ出できこえたまふ。

『源氏物語』(須磨)

10年振りに須磨寺へ。

良寛「須磨紀行」の碑


すまてらのむかしを問へは山桜

三好兵六の句碑


夫婦とはなんと佳いもの向かい風

仁王門


山本周五郎「須磨寺付近」の文学碑


正岡子規の句碑


暁や白帆過ぎ行く蚊帳の外

小池真禅墨跡碑

(山側)
   
(海側)

   

無 心
   
淡如雲

真鍋豊平の歌碑


 ひとすちに
  心こめたる
ことなれば
ちよのしらへも
 たえしとそ想ふ

松尾芭蕉の句碑


須磨寺や  ふかぬ   笛きく 木下闇

瀬川露城の句碑


稲妻のひと夜
 冷やして
  すまの海

摂津大掾旭叟史の句碑


月すみて
 松風すみて
  須磨の浦

五十嵐播水の句碑


香煙にふりこむ雪や初大師

「青葉の笛」音楽碑


碑 面


大和田健樹作詞
田村虎蔵 作曲

一の谷のいくさに破れ
 うたれし平家の
   公達あわれ
暁寒き
   須磨の嵐に
聞こえしはこれか
   青葉の笛

本 堂


尾崎放哉の句碑


こんな良い月をひとりで見て寝る

白崎弘晧の歌碑


公達の
  血のりを秘めて
   七百年
 水静かなり
   須磨寺の池

三重塔


正 面


源平の庭


 寿永3年(1184年)2月7日、一ノ谷合戦の際、源氏の荒武者熊谷直実は、海上に馬を乗り入れ沖へ逃がれようとする無官太夫平の敦盛を呼び返して須磨の浜辺に汲み討ち、その首をはねた。平家物語が伝える最も美しく、最も哀しい、有名な史話である。

 敦盛は時に年16、笛の名手であった。その遺愛の青葉ノ笛は、今も当寺に伝えられている。

蕪村の句碑


   須磨寺にて

笛の音に波もより来る須磨の秋

大井広の歌碑


明滅の
  ひかりをおくる灯台は
 いつこにあらむ寂しき海原

知らない歌人・俳人の碑も多かった。

平成7年(1995年)1月17日、阪神淡路大震災

阪神淡路大震災物故者追悼碑


平成9年(1997年)10月15日、全日本仏教会創立40周年に建立。

JR神戸線須磨駅


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