小林一茶ゆかりの地



『たびしうゐ』

寛政7年(1795年)秋、刊。一茶最初の撰集。

当時、一茶房亜堂の別号があったようだ。

 寛政4年(1792年)3月、一茶は江戸を立って西国行脚に赴き、二六庵竹阿の弟子をたよって四国・九州を巡歴する。

 寛政7年(1795年)3月、大坂に着き、秋頃『たびしうゐ』上梓。

寛政7年秋の一葉の序がある。

   俳諧之連歌
  一茶房
天広く地ひろく秋もゆく秋ぞ
   亜堂

 人おのづから胸の有明
   孚舟

北あらし百日うたふ臼すへ(ゑ)
   升六



  筑前
雪の日や大仏の手のむら雀
   蝶酔
  豊後
糸竹は名利の人の月見哉
   菊男
  讃州
火を借し庵ははるかよ山桜
   梅五

汁鍋に早乙女が笠のしづく哉
   同

莚にはむしろ連也けふの月
   同

一日はたづねて暮す頭巾哉
   同

  予州
星と共に四五輪曙(あけ)のさくら哉
   橘平
  
雉子鳴やわか菜に行し縄手道
   騎竜
  
   時風
  
寝ごゝろや春も十日の夜の雨
   卯七
  
夕涼み加茂河の水に任せたり
   兎文
  
大かたは散そめて花のさかり哉
   樗堂
  
秋風や糊こはき衣(きぬ)の肌ざはり
   魚文
  
それなりに出てうかれけり春の月
   方十
  芸州
梅がゝや見る人々のこゝろ程
   六合

  浪花
昼はまたひる顔咲ぬ秋の風
   升六

洟かみて僧かへる也冬の月
   同

菜の虫の化してとびゆく日和哉
   孚舟

谷水に鶯の影うつりけり
   二柳

名人の場もうちこして春の月
   旧国

畑お(を)とこ菜花に飯を焦しけり
   八千房

  尾之道
菊の虫妹に取らせて夕涼み
   若翁

   芭蕉堂之会

   
月うつる我顔過ぬほとゝぎす
   闌更

   
 風こゝちよき入梅晴の道
   亜堂



こきまぜて鳶も烏も花野哉
   重厚

何にせん銭一からげ冬ごもり
   丈左

花と咲く秋も小草(をぐさ)にかるゝ哉
   玉屑

  浪花
菊の香やあすは十日の雨もよひ
   奇淵

   東武よりせうそこの種々(くさぐさ)

   
花むくげ小町乞食の小屋いづこ
   素丸

摘ほどはなぐさみ蒔の若葉哉
   石漱

夕顔やほのぼの見ゆる相(間)の宿
   元夢

   
   おなじく
   

   
遅ざくらおそしと花に逢日哉
   完来

凩に吹出されてきりぎりす
   成美

   浪華に足留ムアリ、東に赴クアリ、共に是雲水

(うすもの)の薄きぞ旅のかねてより
   尺艾

 身は涼風に任せぬる月
   一茶



   冬夏二句

 むさしのゝ
吉野山冬来れば冬の花見哉
   亜堂

鹿かのこ待て打くれん発句屑
   ゝ
  伊豆
後は何所へ逃ん土用の朝曇
   松十

  ナゴヤ
殻蠣も音をや鳴らん芦の雨
   士朗

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