東北自動車道福島飯坂ICから国道13号に入り、県道3号で福島交通飯坂線に沿って、飯坂温泉へ。 |
とにかく熱かった。水で適温にするように書いてあったが、旅の途中で立ち寄った者が勝手にしていいものか、ためらっていると、「こんな熱くちゃ、とても入れない。」と言って、ホースで水を入れた人がいた。それで何とか湯船に入った。 飯坂温泉には9つの共同浴場があるが、中でも「鯖湖湯」は飯坂温泉発祥の地だという。『拾遺和歌集』に「あかずして別れし人のすむ里は佐波子の見ゆる山のあなたか」と詠まれた「鯖湖」は「飯坂の古称だといえるようだ」と書いてあった。 『拾遺和歌集』は『古今和歌集』・『後撰和歌集』に次ぐ第3番目の勅撰和歌集で、いわゆる「三代集」の最後にあたる。 |
現在の「鯖湖湯」は平成5年にひば、けやき、ひのきの木材とみかげ石で再現したもので、再現してからの入浴者は100万人を突破したそうだ。 |
わが浸る寒水石の湯槽にも月のさし入る飯阪の里
第10歌集『青海波』 |
寒水石は茨城県北部、多賀山地に産する大理石の石材名。白色または暗灰色で、多く緑灰色の縞模様があるそうだ。 |
駅前に車を停めると、何か言われた。芭蕉像を指さすと、「芭蕉さんか」と、大目に見てくれた。芭蕉は偉大だ。 |