光悦寺～水原秋桜子の句碑～

２０２２年～京　都～

光悦寺～水原秋桜子の句碑～

京都市北区鷹峯光悦町に光悦寺がある。

光悦寺

太虚山と号する日蓮宗の寺である。

当地は、元和元年（１６１５年）徳川家康によりこの地を与えられた本阿弥光悦が一族、工匠等と移り住み、芸術郷を築いたところである。

光悦は、刀剣鑑定のほか、書、陶芸、絵画、蒔絵などにも優れ、芸術指導者としても活躍した。

当寺は、本阿弥家の位牌堂を光悦没後に、本法寺の日慈上人を開山に請じて寺に改めたものである。

京都市

拝観料は４００円。太虚庵

昭和４年（１９２９年）４月１日、高浜虚子は光悦寺に詣でる。

四月一日。光悦寺に詣る。泊月、王城、播水、桐一、桂樹楼、波
川等同行。秋櫻子、三山、湖石、美人野、三千女等遅れ加はる。

　後ろ手に人渉る春の水

　春風の吹きわたりたるくぬぎ原

　春風の築地の土のこぼれつゝ

『年代順虚子俳句全集』

田中王城の句碑

山二つかたみに

　時雨れ光悦寺

田中王城は本名田中常太郎。「ホトトギス」同人。

昭和１４年（１９３９年）１０月２６日、５４歳で没。

昭和１５年（１９４０年）１０月、建立。

光悦垣

昭和１５年（１９４０年）、水原秋桜子は光悦寺を訪れている。

青松笠高くむらがるを見てすがし

夏萩の垣なりこれや太虚庵

山椒喰松風絶えて鳴き澄める

山椒喰光悦の釜はいと寂びたり

『古鏡』

水原秋桜子の句碑

紅葉せり
　　つらぬき
　　　　立てる
　　松の幹

昭和４０年（１９６５）１０月２４日、建立。

久野治『秋桜子句碑順礼』によれば１９番目の句碑である。

翹秀軒

本阿弥庵

良正院へ。

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