2023年神奈川

ジョイナスの森〜朝倉響子〜
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横浜駅西口に「相鉄ジョイナス」がある。

「相鉄ジョイナス」の屋上に「ジョイナスの森彫刻公園」がある。

昭和53年(1978年)、竣工。

構 成


1995

マリノ・マリーニ

正面からでは、よく分からない。

左側面


道標・鳩


柳原義達

ニケ’83


朝倉響子

 朝倉響子は明治から大正にかけて日本の近代彫刻の黎明期に活躍した巨匠朝倉文夫の次女として生まれ、学校にゆかず、父のもとで自家の天才教育をほどこされたといわれています。数少ない女流彫刻家として、早くから頭角をあらわしまずか、シックで現代的な魅力のある作風を作り上げています。「ニケ」はその象徴のような都会の若いスリムな女性の透明感をよくあらわしているといえます。

茉莉花(まつりか)


船越保武

 船越保武は、新制作協会に所属して活躍する現代日本の具象彫刻を代表する作家といえます。初期にはブランクーシを思わせる抽象彫刻を試み、さらに幾多のキリスト教的な題材の彫刻を作ってきました。そしてその静かな感銘をひめたような女性像が追求されて、そこに比類のない美しさが打ち出されています。うすい衣をまとったこの女性のすがたにも、限りなく端正で流麗な理想像ともいえる美しさがあらわされています。

果 実


アントワーヌ・ブールデル

 ブールデルは ロダンとともに、フランス近代彫刻の扉を開いた巨匠として知られています。ロダンのいぶくような奔放な肉づけに対して、むしろ実在的な真実をめざして、構築的な力強さをあらわしているところに特色があります。この作品も体全体が大きくうねるような伸びやかさをみせて、手にもつ果実のような清新な若さをあらわしていますが、しっかり腰がはり、中に強いシンが通っているような安定した感銘があります。

踊り子


ジャコモ・マンズー

 マンズーとマリーニは、現代イタリア彫刻の中核といわれていてきましたが、その作風は極めて対照的です。マリーニが古代的な素朴で力強い作風をみせたのに対して、マンズーは対照的にローマ的な人間臭い表現を作り上げています。踊り子はその主要なテーマの一つですが、この作品にも、静かな肉づけにやわらかな量感を盛り上げて、陰影をふくんだ女の性(さが)ともいうべき哀愁の味わいをにじみ出しているように思われます。

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