ボタ山の下で子のない夫婦で住んでゐる ・逢ひたいボタ山が見えだした |
逢ひたい 捨炭(ボタ)山が 見えだした |
一日早ければ一日の幸福、一日早(ママ)く一室一人の自分として生きたいと熱望してをります、申上げたい事はたくさんありますが、近来の私はこまごまと手紙を書きつゞけることが出来ません、書かないでも、あなたは私の心を知つてゐて下さる、私はあなたを信頼します、先日の句のうち |
逢ひたいボタ山が見えて来た(見え出した改めて) 乞ふことをやめて山を観ること(を除きことを加える) |
忌憚なき御教示下さい、どうぞお大切に。
昭和5年12月2日の木村緑平宛書簡 |
かくれん坊の 雀の尻が 草から 出てゐる |
ふりかえる ボタ山 ボタン雪 ふりしきる |