2021年福 岡

太宰府市役所〜「令和」記念碑〜
indexにもどる

西鉄太宰府線「西鉄二日市駅」


「西鉄五条駅」下車。

さいふまいり

 太宰府天満宮への参詣は、平安時代から官人や文人などにより行われてきました。江戸時代になり交通網が整備され、庶民の旅行が増加すると、お伊勢参りや善光寺参りのような寺社参詣が盛んになりました。天神信仰が全国に広がる中で、太宰府天満宮は文学・学芸の神として信仰を集め、「さいふまいり(太宰詣り)」と呼ばれる天満宮参詣旅行が盛んになりました。

 江戸時代の紀行文から、さいふまいりの人々は宰府宿の旅籠や宿坊に宿泊し、太宰府天満宮のほかに水城跡、都府楼跡戒壇院観世音寺などの名所・旧跡を巡って、歴史や文化に触れ楽しんだ様子が窺えます。

『博多太宰府図屏風』斎藤秋圃筆 天保15年(1844年)



福岡県道76号筑紫野太宰府線沿いに太宰府市役所がある。

さいふまいりと参詣道

市役所前の県道は、関屋(現在の太宰府消防署付近)で日田街道から分かれ、太宰府天満宮に向かう参詣道で、江戸時代の道幅は現在の半分もなかったようです。北側には都府楼跡や観世音寺などの名所があり、南側にはかつては田んぼが広がっていました。

太宰府市役所に「令和」記念碑があった。


初春
氣淑風

元号「令和」は、「万葉集」巻5所載の「梅花の歌32首」の序文を典拠とする。序文には、天平2年正月13日に大宰帥旅人の邸宅で宴会が開かれ、そこで詠まれた歌であることを記すが、その日のことを以下のように記す。

   于時     時に
   初春令月   初春の令月にして、
   氣淑風和   気淑(よ)く風和ぐ。
   梅披鏡前之粉 梅は鏡前の粉(こ)を披(ひら)き、
   蘭薫珮後之香 蘭は珮後(はいご)の香を薫らす。

「令和」は、その「初春令月 気淑風和」の「令」と「和」とに拠って考案された元号である。

太宰府ゆかりの元号であることを記念して、ここに建碑する。

2021年福 岡に戻る