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「花に眠っている胡蝶よ、さあ起き出でよ。この春光の中におまえをわが友としよう、」そしてともに閑雅自適の生活を楽しもう」の意。 例の、荘周夢に胡蝶となるという『荘子』斉物論の寓言を踏まえた発想であるが、この場合は逆に、眠っている蝶を呼び醒ます発想になっている。蝶に眠りから「起きよ起きよ」と呼びかけるのは、興に過ぎた風狂が感じられるようである。この他にも芭蕉には、荘子の胡蝶をを踏まえた句がかなりある。 『己が光』(元禄五年序(車庸編)・『泊船集』・『蝶姿』・『蕉翁句集』等に所収。真蹟「貞享丁卯詠草」にも見える。また「独酌」と前書し、下五「酔胡蝶」の形をとどめた真蹟もある。初案か。「貞享丁卯詠草」にあるので、貞亨四年以前の作。『蕉翁句集』は三年とする。 |
