芭蕉の句
元日は田毎の日こそこひしけれ
元禄2年(1689年)、芭蕉46歳の句。
元禄2年(1689年)3月の「猿雖宛書簡」にある。
去年の秋より心にかゝりておもふ事のみ多ゆへ、却而御無さたに成行候。折々同姓方へ御音信被レ下候よしにて、申伝へこし候。さてさて御なつかしく候。去秋は越人といふしれもの木曽路を伴ひ、桟のあやうきいのち、姨捨のなぐさみがたき折、きぬた・引板の音、しゝを追すたか、あはれも見つくして、御事のみ心におもひ出候。とし明ても猶旅の心ちやまず、
元日は田毎の月こそ恋しけれ はせを
猿雖は伊賀上野の門人。
『泊船集』、『芭蕉句選』は「元日に」とある。
『蕉翁句集』に「元日も」とある。
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