宇良故非之 和賀勢能伎美波 | 多麻保許乃 美知能可未多知 |
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奈泥之故我 波奈尓毛我母奈 | 麻比波勢牟 安賀於毛布伎美乎 |
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安佐奈佐奈見牟 | 奈都可之美勢余 |
万葉集 巻十七 |
天平19年(749年)5月2日、大伴池主が、越中守大伴家持に贈った歌である。 大伴池主は掾(判官)として家持に仕え、優れた万葉歌人であり家持との贈答歌が多い。家持が着任して1年。翌天平19年、国の収支決算書である正税帳を中央政府に提出するため上京することになった。 4月30日、家持は上京にあたりての感慨を歌に託して池主に贈った。池主は、その別離の歌にこたえて、 |
あおによし 奈良を来離れ 天ざかる ひなにはあれど・・・・・・ |
と、長歌1首、短歌2首を贈り別れを悲しみ、旅の無事を祈って歌い捧げた。 |
砺波山の手向の神に幣を奉りて、無事に旅を終えて、なでしこの花のさかりのころに再会できるように祈ります、と |
津幡町教育委員会 小矢部市教育委員会 |
あをによし 奈良を来離れ | 天ざかる 鄙にはあれど |
わが夫子を 見つつし居れば | 思ひ遣る こともありしを |
大王の 命かしこみ | 食国の 事取り持ちて |
若草の 足帯手装り | 群鳥の 朝立ち去なば |
後れたる 我や悲しき | 旅に行く 君かも恋ひむ |
念ふそら 安くあらねば | 嘆かくを 止めもかねて |
見渡せば 卯の花山の | 霍公鳥 哭のみし泣かゆ |
朝霧の 乱るる心 | 言に出でて 言はばゆゆしみ |
砺波山 手向の神に | 幣奉り あが乞ひ祈まく |
愛しけやし 君が正香を | ま幸くも あり徘徊り |
月立たば 時もかはさず | 瞿麦が 花の盛りに |
相見しめとぞ |