樋口一葉、名は奈津、なつ、夏子とも自署した。 明治5年3月25日、内幸町にて、東京府庁に勤める樋口則義と母たきの次女に生まれる。14歳で中島歌子の歌塾萩の舎に学ぶ。本が好きで親孝行だった。身長五尺足らず、髪はうすく、美人ではないが目に輝きがあった。 士族の誇りを胸に、つつましく見えてときに大胆。心根はやさしくときに辛辣。女であることを嘆きつつ、ときに国を憂えた。 文学を志し、明治27年より「大つごもり」「たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」「われから」と次々に発表、奇跡の14か月と評される。 明治29年11月23日、本郷丸山福山町四番地で死去。享年満24歳。
(森まゆみ「一葉の四季」より) |
生誕地は、東京府第二大区一小区内幸町御門内一番屋敷。(現在の千代田区内幸町1・5・2)にあった東京府庁の構内長屋とされており、その地域内の一部であるこの地へ平成17年3月25日に建設した生誕記念碑を修繕し再度建立した。 |