正岡子規ゆかりの地



蓮枯て夕栄うつる湖水かな

湯島天神から不忍池へ。


不忍池


蓮枯て夕栄うつる湖水かな

明治26年(1893年)、正岡子規が詠んだ句である。

子規は明治27年(1894年)7月にも不忍池の蓮を詠んでいる。



 石階を下りて不忍辨天に蓮の花を見る。いづくにか琵琶の聲かすかに聞こえてこゝ都の片はづれとは思はれず。身心たゞ清浄に覺えて有難くも尊し。

   晝中の堂静かなり蓮の花

 1時間の漫遊こゝに了りて再び身を俗界の中に投じ去りぬ。

「上野紀行」

不忍池に蓮の花が咲く頃は忙しくて来られない。

明治28年(1895年)、子規は不忍池の枯柳を詠む。

   不忍池

枯柳三味線の音更けにけり

『寒山落木』(巻四)

若山牧水も不忍池の蓮を詠んでいる。

   秋風と蓮の花

蓮ひらくしらじら明けに不忍の池にまひ降るる白鷺のむれ

第10歌集『白梅集』

正岡子規ゆかりの地に戻る