種田山頭火の句碑
永平寺
大正15年(1926年)4月、種田山頭火行乞漂泊の旅に出て全国を行脚。 |
生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり(修証義)
生死の中の雪ふりしきる 木の葉散る歩きつめる |
昭和11年(1936年)7月4日、種田山頭火は永平寺を訪れ、参籠している。 |
七月四日 晴。 どうやら梅雨空も霽れるらしく、私も何となく開けてきた。 野宿のつかれ、無一文のはかなさ。…… 二里は田圃道、二里は山道、やうやくにして永平寺門前に着いた。 事情を話して参籠――といつてもあたりまへの宿泊――させていたゞく。 永平寺も俗化してゐるけれど、他の本山に比べるとまだまだよい方である。 山がよろしい、水がよろしい、伽藍がよろしい、僧侶の起居がよろしい。 しづかで、おごそかで、ありがたい。 久しぶりに安眠。 七月十九日 晴。 永平寺 てふてふひらひらいらかをこえた 水音のたえずして御仏とあり |
正 面 | 水音のたえずして御佛とあり |
左側面 | てふてふひらひらいらかをこえた |
右側面 | 生死の中の雪降りしきる |