2006年長 野

善光寺表参道〜一茶の句碑巡り〜

善光寺表参道の中央通りを行く。


錦町通りとの交差点の道標に一茶の句が書いてあった。



善光寺やかけ念佛で明の春

『文政句帖』(文政8年12月)

「かけ念仏」は一向宗などの講中で多人数が声高で掛け声して唱える念仏。

裏には月院社何丸の句が書いてある。

鶯の來る樹なればか及びごし

何丸は上水内郡吉田村(現在の長野市吉田)出身の俳人。

さらに中央通りを行く。


 国道19号(昭和通り)と交差する新田町交差点の道標に一茶の句が書いてある。

交差点の東南隅に2句。



そば時や月のしなのゝ善光寺

文化9年(1812年)8月の句。

 文化9年(1812年)8月12日、一茶は江戸に帰るに時、善光寺に立ち寄っている。

十二 陰 善光寺ニ入

『七番日記』(文化9年8月)



開帳に逢ふや雀もおや子連

文化15年(1818年)3月の句。

善光寺本堂の東に一茶の句碑がある。

北西隅には、次の句。



春風や牛に引かれて善光寺

文化8年(1811年)2月の句。

文化8年に一茶が帰郷することはなかった。



ぼた餅や地蔵のひざも春の風

文化11年(1814年)1月の句。

 善光寺周辺には一茶の句碑が沢山あるようだが、旅の途中で探すのは大変だ。

西南隅には月院社何丸の句が刻まれている。



大雪に声替りせし雀かな



やぶ入の夢也親子の天の川

西北隅にも何丸の句が刻まれていた。



桃の花娘かしつくしおりかな

もう一面はよく読めなかった。

「ちょっ蔵おいらい館」へ。

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